< continuation of 「まごころを君に」 >




気付いたのは病院のベッドの上だった。

そこで僕は僕が二日も目を覚まさなかったこと、あの後アスカと二人で救出されたこと、

そして今朝、意識不明のままアスカがこの世を去ったことを知った。
      
















生きるということ
Cruel.A


















 あれから三日経った。

僕は毎日ただ呆然と窓の外ばかり眺めている。

何もする気が起きない。

僕には信じられなかった、アスカがもうこの世にいないということが。

毎日見ている風景は何も変わっていないように見えた。


でも、

アスカがいなかった。

信じたくなかったけど、アスカはもう、どこにもいなかった。





アスカが三日前まで眠っていたベッド・・・

もうアスカのぬくもりは残っていなくて、ただひんやりと冷たかった。

もうアスカに逢うことはできない。

あの懐かしい声で馬鹿にされることも無くなってしまった。

僕の心にぽっかりと空いた穴はもう誰にも癒せないのだと知った。


僕は一番大切な者を、失ってしまったのだ。

もう僕には生きる意味もない・・・。





鋭く研ぎ澄まされたナイフ、

月明かりに照らされて妖しい光を放っている。

僕はそっとその銀色に輝く刃を手首に当てた。

そして真っ白いシ−ツに腰をおろす。

怖くはなかった。

でも、もし死んだ後、その後の世界があってアスカに逢った時、何て言ったらいいのだろう。

アスカは怒るだろうか。

それともあきれるだろうか。


・・・真っ赤な血液が純白のシ−ツをみるみると紅色に染めていく。


そういえば、アスカは赤色が好きだった。


ふと、アスカの顔が目に浮かんだ。

僕は嬉しくなってアスカに微笑みかける、

でもアスカは、微笑みかえしてはくれない。



やっぱり怒ってる?



呆れてる?



・・・違う、











・・・悲しんでる・・・




僕はアスカを傷つけた、深く、傷つけたんだ。

そして・・・殺した、僕が、殺した。



・・・僕がアスカを殺したんだ・・・



僕には人を傷つけることしかできない。

人に優しくしたり人の役に立ったりできないんだ!

僕には生きる価値もない、意味もない、権利もない!












 やり場のない罪の意識・・・

もう生きることができない。


苦しくて、

辛いんだ。


アスカがいない、

どこにもいない。

何故、いない?

僕が、

僕が殺した・・・。


僕がアスカを傷付けて、殺したんだ!



それなのにアスカを求める、

すがりつこうとする。

こんな自分がキライだ、


大キライだっ!



好きになんてなれるわけない。

だからここから、自分という人間から開放されたいんだ!

いいじゃないか、逃げたって。

僕なんて生きてたってしょうがないんだ、

僕なんていてもいなくても同じなんだ。


アスカだってそう思ってたんでしょ?

僕のこと嫌いだったんだろ、

僕が気持ち悪かったんだろ、



なのにっ、


なんで、


なんでだよ!



なんでっ、


・・・そんな悲しそうな顔するの?








 不意に、

大粒の涙が零れ落ちた。


止まらなかった、


今まで閉ざしていた感情が涙とともに一気に心から溢れ出していく、

ぼろぼろ、ぼろぼろ、とめどなく溢れ出す。



・・・僕には解ってたんだ、

アスカが悲しむことくらい、

なのに僕には解ってなかった、






アスカがずっとそばで見守ってくれてたこと。






・・・苦しくて、胸が締め付けられるようで、


誰も見ていない薄暗い病室で僕は、声をあげて泣いた。






 二年後・・・


 僕は高校生になった今もアスカや綾波と守ったこの街に暮らしている。

あれからはもう死のうなんて思わない。

だってもう寂しくないんだ、

アスカがいる。


アスカは今までもこれからもずっと僕の心の中に生きている。

僕がアスカを忘れない限り、アスカは僕を見守っていてくれるんだ。

だから僕は生きようと思った。


生きるということは確かに辛いかもしれない。




でも、

そこから逃げちゃいけない、

僕らは辛いことや苦しいことを乗り越えて強くなっていく。

そしてその痛みを分かった時、

初めて人に優しく出来る、

初めて人の役に立てるんだと思う。


そのために人は生きるんだと思う。


生きるということはそういうことなんだと、僕は思う。











 アスカ、ありがとう。僕は今、生きてる。





















<感想と解説>(四年前に書いたあとがきです)

 恥ずかしながら私の初!小説です。いつ書いたんでしょ、もう一年以上前(5年前)の作品ですね-。エヴァ系のサイトに投稿したんですよ。高校入ってからはそんな暇が全くないもんで最近は書いてないんですがまた新しいの書きたいな〜って思ってます。(いや、書かなきゃこのHP成り立たないっちゅ-の!)ホント駄文でスミマセン、、。

解説に移ります。
え〜これ解説読まなきゃ何が何だかワカンナイ話だと思います、わけがわかんなくてむかついてる方、スミマセンでした〜。
この話は「まごころを君に」の続きってことにしてあります。
LCLの海辺でシンジくんとアスカさまは肉体的、精神的疲労により意識不明の重体に陥っていました。しかしその後、
二人は救助され病院に運び込まれます。シンジくんは奇跡的に回復し一命をとりとめますがアスカさまは意識不明のままこの世を去ってしまいます。やはり量生産エヴァとの激しい戦いによりアスカさまの身体はすでにぼろぼろだったのでしょう。シンジくんはアスカさまが死んだのは自分が首を絞めアスカさまの心と身体を傷付けたからだと思い込んでしまいます。そしてその苦しみから逃げ場を失ったシンジくんはどんどんと自分を追い込んでいってしまうのでした。
と、まあこんな感じです。「おいおい!その設定は無理があるんでね−の?」ってツッコミはお許し下さい。今、謝っておきまする。ゴメンナサイ、、。それから「シンジくんとアスカさまを救助したのは誰ぞ?」といわれると自分でもワッカリマセ〜ン。ハハハ〜。(笑ってごまかす)ではこのへんで。どうも有り難うでやんす!


































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